モンテッソーリあかねこどものいえ 保護者ブログ

園公認の保護者ブログです。複数人による共同投稿で園での様子や家庭での普段の子供達の様子をお届けしています。

あかねこどものいえ:園舎

さいたま市の私設保育施設

モンテッソーリ あかねこどものいえ

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手を使うこと ①自己肯定感の育ちとのつながり

やはり空いてしまった…

 

前回、

「手を使うことと○○のつながりについて

一つずつ紐解いてみたい」

と書いてから早1か月以上。

皆様どんな夏休みをお過ごしでしょうか。

我が家は、夫のバイク転倒 からの骨折により

今年の夏、強制終了。。。

 (無事だからネタにできるわけで、そこはご心配なさらず)

 

よく子育て本やテレビなどで

子どもの「自己肯定感」を育てる

という話を耳にするんですが

過去の私も含め、意外と勘違いされていることがあります。

 

親御さんや周りの人に

ありのままの自分を愛されることで

自己肯定感が育つのではありません。

 

他人からの惜しみない愛情によって育つのは

あくまでも「他人への信頼感」であって

「自己肯定感」とは別物です。

(もちろん両方ともとても大切ですが)

 

自己肯定感は

「自分でやってみようと思ってチャレンジしたことが

試行錯誤を重ねて、できるようになった!」

という実体験の積み重ねで育つもの。

自分はこれだけ頑張れる!これだけのことができる!

という自分に対する信頼感です。

 

例えば、赤ちゃんが歩けるようになった!

という全身の変化は、大人にもわかりやすく

とても嬉しいものですが

 

手を使って身の回りのことをする

という段階になると

なぜかその試行錯誤の時点で

大人側が待てなくてイライラしてしまったり

つい代わりにやってあげちゃったり

いたずらだとみなして怒ってしまったり

ということが起こりやすいです。

 

でも

手を使って身の回りのことができるようになるというのは

赤ちゃんが歩けるようになるのと同じくらい

尊くて喜ばしいことです。

 

生活の中の自分の身の回りのことや

お父さんお母さんのお手伝いを

子どもがやりたい!と訴えているときこそ

「自己肯定感」が育つチャンスです。

 

そのチャンスをつぶさないようにするには、

いくつかポイントがあります。

 

1.子どもは大人ほど早く動けないことを受け入れる

 

子どもが小さいほど、その動きはゆっくりです。

1歳台の子どもが靴を履くのなんて、もうそれはそれは

蚊が止まるくらいゆっくりです。笑

 

この生活の動きのスピードの違いが、

大人のイライラ感を生み、

「早くしてよ!」とまくしたてたり

代わりにやってあげちゃったりします。

 

このスピードに慣れて

「待つ」ことができるようになると大人のほうが楽です。

さらに慣れてきたら

「この行動にはこのくらい時間がかかる」

と大人が予測、逆算して

あらかじめ時間をとってあげられるようになると

「早く~」というイライラが減ってさらに楽です。

 

 2.子どもが自分でできるものを用意する

 

同じ「靴を履く」でも

スリッポンやマジックテープの運動靴のような履きやすい靴と、

ハイカットシューズのような履きにくい靴があります。

動きの練習中は

履きやすい靴を大人があらかじめ用意することが

「やりたい!」気持ちをお手伝いすることになります。

 

3.これはまだ無理…と感じることでも、できるやり方を探す

 

例えば「食器を洗う」ことを2,3歳の子どもがやりたがったら、

洗面器を子どもの背が届く台の上に2つ置いて、

片方に水と洗剤を、もう片方にすすぎ用の水を入れて

その中で割れないものを洗う→すすぐ というやり方もできます。

慣れてきたら、小皿など子どもの手で持てる食器を

お願いしてもいいと思います。

(割れるものを敢えて扱うことで、子どもが慎重に動きます)

 

4.いたずらは、いたずらにならない形で消化する

 

例えばハサミを使いたい時期(2歳頃?)に

自分の髪や着ている服、コードなど

周りにあるものを何でも切ろうとすることがあります。

これをただ止めるだけでは、「切りたい」欲求は満たされないので

紙の端きれなどを渡して

「これなら切っていいよ、でも他のものは切らないでね」

と「切る」動きを消化させます。

 

最初の切る練習は、

一回で切れる幅の短冊状の紙をたくさん用意しておくと

子どもが喜びます。

慣れてきたらそこに線を書いたり、幅を太くしたりしていきます。

 

 

これらのポイントを参考に

大人が苦にならない範囲で

子どもの自己肯定感が育つサポートができるといいなと感じます。

 

最初に書いた「他人への信頼感」と

この「自己肯定感」が

これから先の人生を進むための

精神的な2本の足になりますので。

 

どうぞ実生活に即した

楽しい夏休みをお過ごしください。

 

O元先生