絵本のこと 心が感じる時期に
今週末は、いよいよクリスマスお楽しみ会ですね。
今頃、子どもたちは(先生方も!)練習に励んでいる頃だと思います。
普段の、現実世界の楽しさとはまた違った、ファンタジーの世界の楽しさを味わえる行事です。
劇の練習にはいつも、絵本を使って導入していました。
一度みんなの前でお話を読み、そのあと劇遊びに入り、登場人物になりきって物語の世界を楽しみ、それから配役を皆で決めたり動きを決めたり、という流れです。
私は個人的にも絵本が大好きで、それこそ毎日のように読んでいました。子どもたちもまた、絵本を読んでもらうのは楽しいようでした。
日課のようになっていた絵本の読み聞かせが今の暮らしからなくなったのがあまりにも淋しくて(笑)、新居の方でも図書館の読み聞かせボランティアに参加することにしました。
参加にあたり、「この本の考え方をベースに活動しています」と紹介されたのがこちら。
松岡享子さんの「えほんのせかい こどものせかい」です。(向きが直せない…)
この本に書かれていることと、モンテッソーリの考え方がよく似ていたのが、参加を決意させた大きなポイントです。
その中でも、
・読み手の大人が絵本より前に出ないこと。よい絵本には子どもを惹き付ける要素が既にたくさん備わっている。大人は絵本と子どもを結ぶ架け橋の役割。大げさに読んだり、無理に声色を変えたりする必要はない。
・「心が感じたことを、頭が明日理解する」
絵本の時代は心が感じる時代。心で感じたことを大切に。頭で考えるのはそのもっとあと。
共感ポイントが特に高かったのがこの2点です。
1つ目は、絵本→環境 に変えて読むと、ほぼモンテッソーリの軸の考え方です。
(大人の役割は子どもが自ら惹き付けられる良い環境を整え、子どもと環境を結ぶこと。大人が目立ちすぎないこと。)
2つ目…はどういうことかと申しますと
子どもが絵本から感じ取ったことを、そのまま受け入れて大切にしてほしいということです。
今は下手をすれば幼稚園ですら
「このお話の大切な所はどこですか」
「このお話を書いた人が一番伝えたいことは?」
と、大人側が意図する「伝えたいこと」を子どもに汲み取らせたい、その流れを作ろうとすることが少なくないそうです。
(私、この手の質問にはいつも、「作者に聞いたんかなそれ」って心の中ツッコミ入れてしまいますが)
絵本を最も愛する時期、およそ小学校低学年頃まででしょうか、の子どもは、心で感じる「今日」にあたります。頭で考えるのは「明日」以降で充分だと。
モンテッソーリでも、いえむしろモンテッソーリに限らず、子どもは特に幼児期までは「感覚」の時代です。
感じたこと、「感覚」が次の小学校時代で「知性」となります。
心で感じることが多ければ多いほど、深ければ深いほど、知性の幅も広がり、深みも増します。
なんかこのあたりの子ども観や考え方が、両方似ているなぁ…と思ったのです。
で、話をクリスマスお楽しみ会に戻して(笑)、
子どもたちがそれぞれに感じた思いを、大人の方はどうぞそのまま、まるっと受け入れて大切にして頂きたいと思います。
例えば緊張で固まったり、間違えたりしたとしても
そこを大人がわざわざ茶化したり指摘したりしなくていいのだと思います。
何せそこは、子ども本人が一番よく分かっているので。そしてあかねの時期は、自尊心がとても高い時期でもあるので。
楽しかったなら、楽しいそのままで。
緊張したなら、緊張したそのままを。
「見ていたよ」の一言と笑顔で充分、「受け止めてくれたことが」子どもには伝わるのではないかと思います。
ムリヤリ誉めるでも、できなかったところを指摘するでもなく、子どもの心に寄り添って、それぞれのご家庭でも感じたものをまた大切にして頂ければと思います。
私も今年はお客さんとして純粋に楽しみたいです。(先生方、今正念場かもしれませんが、あと少しです~応援してます~)
K
(個人ブログも随時更新中ですhttp://montessorilover.hatenadiary.jp)